● ジョシュア・ツリー・ナショナル・パーク
ジョシュア・ツリー・ナショナルパークは,カリフォルニア州南東部,コロラド・デザトとモハベ・デザトからなる面積
3,170ku 神奈川県より一回り広い乾燥地帯の国立公園である。真夏の気温が38℃になるこの地域には,その名となったジョシュア・ツリーやサボテンなど813種の植物,40種のは虫類,41種の哺乳動物,240種の鳥が厳しい環境に適応して生息している。
数千年前から,この地は先住民たちの季節的な狩猟や植物採集の場であった。本格的な開発の手が伸びたのは,1800年代のゴールドラッシュ。夏の暑さ,限られた水資源,少ない木,長距離を運搬する高い輸送コストは,鉱山業者にとって厳しいものであった。それにもかかわらず,300もの鉱山が掘られた。ほとんどは小規模で成功しなかったが,中には数百キロもの金や銀(現在の価格で数億円)を産出したロースト・ホース鉱山もある。
そのころのここは,今より緑が豊かで背の高い草が生い茂っていたという。放牧地として目を付けたカウボーイたちは,牛の群れを連れ,草と水を求めてあちこちを移動した。牧場もできた。キイ牧場の建物は今でも残り,レンジャーのガイドによるツアーが組まれている。
鉱山や放牧地としての乱開発の次は,1920年代の植物採集であった。サボテン密猟者が横行し,多くのサボテンと貴重な砂漠の植物がロサンゼルス近郊のガーデニングのために持ち去られた。
サボテンやジョシュア・ツリーが,広範囲に破壊されるのを見かねた砂漠愛好家のミネルバ・ホイと有識者たち。彼女たちは,連邦政府による保護が必要だと大統領に働きかけた。ミネルバ達の献身的な努力の成果,1936年にルーズベルト大統領はここを国立記念物に指定した。更に1994年,ジョシュア・ツリーはナショナルパークに昇格した。
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